静かに語り合う、情熱的に歌い上げる・・・

vol.13関原弘二(cello)&節原珠美(PIANo)

夏の夜にチェロとピアノデュオコンサート

チェロとピアノ、この日のはまさにデュオ!旋律と伴奏というよりも、二つの楽器が互いに歌い、語りかけ、ときに会話は白熱して、悲しみも情熱も分け合うような・・・そんなおふたりの息のあった素晴らしいハーモニー、あっという間のお時間でした。このお写真はまさにそんな白熱した楽曲、ラフマニノフのチェロソナタを弾き終えた瞬間のお二人!迫力ある演奏に会場中が大拍手!お二人の満足そうな表情がまた美しい!

オープニングはチェロのソロ演奏でスタート。バッハの無伴奏チェロ組曲のプレリュード。お馴染の旋律、目の前で見る機会が少ないチェロという楽器、その豊かな音色に、はじめから会場はうっとりです。

関原さんの登場は2017年の1月以来二度目です。前回も、「初めてチェロを聴きました!感激しました!」というお声がたくさんでした。確かに、同じ弦楽器でも、ギターやバイオリンに比べると、目の前でという機会はとても少ないかもしれません。

低くてたっぷりと、安定した音色、静かでけれど、迫力と情熱を秘めて・・・あらこれって、関原さんの雰囲気と同じですね!

私は最初にお会いしてお話をしたのはもう20年以上前だと思うのですが、その時からとても穏やかで、落ち着いた雰囲気を持つ方でした。でも、それから時を経て、この数年お会いしている中で感じたことは、とても情熱的で夢を持って進んでいくパワーを秘めていらっしゃるのだなぁということ。この日の演奏にも、繊細で大胆な・・・・そんな魅力があふれていました。

さて、こちらはピアニストの節原さん、白いグランドピアノとお揃いでまるで女神さまのようなすてきなドレス。このやさしさ満面の笑顔は、そう二児の母のあたたかさですね。楽屋でこどもさんおふたりのお話を伺った時のなんともいえない笑顔は二人のお子さんへの愛情たっぷりでした。

でも、演奏家としてのお姿には凛としたプライド、強さを感じました。学生時代、ご自分で切り開いていったフランスでのレッスン、その後、子育てをしながら一旦は演奏家としての活動から離れ、そしてまた復帰・・・。一人の女性として、音楽家として、きっと多くのことに迷いながら悩みながらの日々だったはずです。いえ、それは過去形でなく今も葛藤の中にちがいありません、こうしてこどもさんたちに愛情を注ぎ、ステージに上がり、教室では生徒さんたちをコンクールに送り込んで・・・この細い体のどこにそんなパワーが潜んでいるのでしょう。この日、チェロを包むような演奏も、刺激し合う迫力の演奏もたっぷりご披露してくださいました。すてきでした~!

当日のセットリストです。お馴染の曲が並びました。

 

バッハ  「無伴奏チェロ組曲より一番 プレリュード
エルガー    「愛の挨拶」
バッハ     「G線上のアリア
カッチーニ   「アベマリア」
ファリャ     「スペイン民族舞曲より 1ムーア人 4ポロ 」

ラフマニノフ   「チェロソナタ3楽章」

ビゼー      「カルメンよりハバネラ」
カザルス     「鳥の歌」
カサド      「親愛なる言葉」

サンサーンス  「白鳥」

 

カルザスの鳥の歌、国連でのカルザスの平和へのスピーチのお話など、演奏にまつわるお話にも胸が熱くなる思いでした。


大学時代慣れ親しんだ東京で卒業後仕事を始めたにもかかわらず、全く知らない福岡にひとり移り住んで自分の思う音楽の世界を追い求め、積み重ねてきた関原さん、演奏家であり、ピアノ講師であり、妻であり母であること、そのバランスに奮闘しながらの節原さん、それぞれ、決して順風満帆ではない道のりが一つ一つの音に繋がっていって、それがおふたりの魅力あるサウンドになっているのですね。これからもますますご活躍を心よりお祈りしています。素晴らしいコンサート、本当にありがとうございました。

 

しろくまのスタッフのみなさん、関原さんから最高のおほめの言葉をいただきました。「あぁ、思い出しました、此処はスタッフのみなさんが素晴らしかった!」2年半ぶりにお見えいただいた関原さんがそんな風に思いだしてくださるなんて!しかもまだ当時はみんな慣れなくてほんとうに悪戦苦闘必死でしたものね。関原さん、ありがとうございました。節原さん、またどうぞいらしてください。スタッフのみなさん、いつも素晴らしいチームワーク!ありがとうございました。