静謐に情感豊かに美しく・・・

vol.15 尾方蝶嘉 筑前琵琶コンサート

この日の多くのお客様が「はじめての琵琶」でした。琵琶という楽器そのものはテレビや教科書で見たとか、さていったいどんな演奏会なのか・・・。その興味の様子がよく伝わりました。しんとまさに水を打ったような静けさの中、琵琶の音が響き渡りました。蝶嘉さんの凛としたこの美しさも相まって、絵巻物語のような空間でした。

この日の演目はおなじみ「平家物語」その中でも最もなじみのある「祇園精舎」からはじまりました。学生時代の記憶がよみがえりましたよねぇ、このくだり、覚えましたものね。

そして琵琶の音色の、なんとも力強く、でも悲しく、その魅力的な音色に引き込まれていきました。それと同時に、会場を魅了したのは蝶嘉さんのお声でした。しっとりとのびやかに、会場にしみわたるようなそのお声、このお声がこの後、まさに七変化!ますますみんなを虜にしていきます。

後のアンケートでも、蝶嘉さんのお声のファンになったというコメント、たくさんでした!

 


琵琶のお話や、平家物語の解説など、お話もとてもお上手で、このお写真のように語ってる時とは全く違う表情!これもまたお美しい!

このお話の後、平家物語のやっぱり有名な「入道死去」のくだりですが・・・清盛ですね、彼が頼朝が子供のころに助けてあげたことを悔やんで、腹を立てて、墓前に首を持ってこい!っていうくだりです。このね、ここ、この日、いらした方はこの迫力に圧倒されたはず!この美しく優しい蝶嘉さんがほんとうに入道に見えるわけで、そのお声の迫力と言ったらさすがです。個人的には印象的なシーンのひとつです。また聴きたい、見たいと思うシーンでした。この後の那須与一や安徳天皇のシーン、それぞれが本当にその役に見えて、想像以上の世界、素晴らしい舞台でした。

平家物語にはたくさんの有名なシーンがありますので、なんとなくストーリーがわかることもあって、「昔の言葉がわかるかしらって思ってたけど解説もあったり、とても面白かった」というお声が多く聞かれました。改めて平家物語を読んでみたい、調べてみたい、という興味を持たれた方もありました。日本の文化を伝えていきたいという蝶嘉さんの想いがしっかり伝わりましたね。


平家物語の後は万葉集から額田王の歌。これは打って変わって、美しいお声です。ためいき、ためいき。琵琶の音色も違います。平家物語の迫力から、やわらかくて暖かい響き。歌に寄り添うような音色もあれば、歌のように奏でられる・・・琵琶の魅力を幅広く見せていただきました。



いつものように記念撮影もして・・・この日、実はこの後、琵琶に触らせていただいたり、私たちも初めての琵琶にとても楽しい思いをさせていただきました。蝶嘉さん、素晴らしいお時間をありがとうございました。またいらしてくださいね!そして若干人手不足だったこの日(笑)でもいつもと全く変わらず、素晴らしい活躍をしてくれたしろくまのスタッフの皆さんにやっぱりさすがだなぁ、と感心してばかりでした。

尾方蝶嘉ホームページ ←是非ご覧ください。6月には箱島家での演奏会も予定されています。